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アリウス YDP-166 と YDP-165、YDP-146 と YDP-145 は何が違う? 型落ちとカワイ CX・ローランド・カシオを仕様で比べる

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春からピアノ教室に通う子どものために、年末に家の練習用を用意しようと「ヤマハ アリウス」を検索すると、YDP-166 と YDP-165、YDP-146 と YDP-145 のように、数字が1つ違う型番が並びます。末尾が5の方が安く、見た目もほとんど同じです。

ヤマハの家庭向け電子ピアノ ARIUS (アリウス) は、2026年6月25日に4機種が入れ替わりました。新しい4機種と、生産完了になった旧4機種の公式仕様表を突き合わせると、変わったところと変わっていないところがはっきり分かれます。この記事では、その差を確かめたうえで、同じ価格帯のカワイ・ローランド・カシオと並べ、集合住宅に置くときの注意と組み立てについてまとめました。

鍵盤のタッチや音の好みは実際に弾かないと判断できないので、ここでは扱いません。仕様表から言えることだけを書いています。

新旧アリウスで変わったのは鍵盤と Bluetooth

旧モデルの YDP-165・YDP-145 は2022年4月、スリム型の YDP-S55・YDP-S35 は2022年5月の発売で、ヤマハの製品ページではどれも「生産完了品」になっています。

新モデル (2026年6月)旧モデル (2022年)鍵盤 (新 / 旧)Bluetooth (新 / 旧)アンプ出力質量
YDP-166YDP-165グランドタッチ-イー (エスケープメント付き) / GH3オーディオ受信・MIDI / なし20W×242.0kg
YDP-146YDP-145GHS (センサー改良) / GHSオーディオ受信・MIDI / なし8W×238.0kg
YDP-S56YDP-S55グランドタッチ-イー (エスケープメント付き) / GH3オーディオ受信・MIDI / なし20W×240.0kg
YDP-S36YDP-S35GHS (センサー改良) / GHSオーディオ受信・MIDI / なし8W×237.0kg

新旧で同じなのは、音源 (ヤマハ CFX サンプリング)、最大同時発音数192、音色数10、スピーカー口径12cm×2、幅・高さ・奥行き、質量です。付属品も同じで、YDP-166 と YDP-165 には高低自在椅子、YDP-146 と YDP-145 には固定椅子が付き、どちらもヘッドホンが付属します。

変わったのは3点です。

1つ目は鍵盤です。上位の YDP-166 と YDP-S56 は、GH3 鍵盤からエスケープメント付きのグランドタッチ-イー鍵盤に変わりました。エスケープメントは、グランドピアノの鍵盤をゆっくり押したときに指先に伝わる小さな手応えを再現する仕組みです。YDP-146 と YDP-S36 の鍵盤は名前が GHS のままで、ヤマハはセンサーの改良で連打性を上げたと説明しています。

2つ目は Bluetooth です。新しい4機種はすべて Bluetooth のオーディオ受信と MIDI 送受信に対応しました。オーディオ受信があると、スマートフォンで再生した曲やレッスン動画の音をピアノのスピーカーから鳴らせます。旧モデルもアプリ「スマートピアニスト」には対応していますが、Bluetooth の項目は仕様表にありません。

3つ目はスピーカーで、4機種ともディフューザーグリルが付きました。アンプ出力と口径は変わっていません。

型落ちの YDP-165・YDP-145 を選んでいい人

YDP-146 と YDP-145 の差は、鍵盤センサーの改良と Bluetooth だけです。スマートフォンの音をピアノで鳴らす使い方をしないなら、YDP-145 の在庫が安く残っているうちは、それを選んでかまいません。椅子もヘッドホンも同じものが付きます。

YDP-166 と YDP-165 は、鍵盤の機構そのものが違います。大きさも重さも同じなので、置き場所の条件は変わりません。教室の先生に鍵盤について何か言われている、あるいは楽器店で両方を弾き比べて違いが気になったという場合は、YDP-166 を選ぶ理由になります。そうでなければ、価格差と Bluetooth が要るかどうかで決めてよいでしょう。

注意したいのは、型落ちがいつも安いとは限らないことです。新モデルの発売後も、旧モデルの在庫が新モデルとほとんど同じ値段で売られていることがあります。その場合は、Bluetooth が付く新モデルを選ぶ方が得です。下の価格カードで、新旧の差を確かめてから決めてください。

旧モデルは生産完了なので、残っている色も限られます。部屋の床や家具に合わせたい色がある場合は、型落ちにこだわらない方が早く決まります。

すでに YDP-165 や YDP-145 を持っているなら、買い替える必要はありません。新モデルとの違いは上の3点だけです。

スリム型 YDP-S36 の「奥行き約30cm」には条件がある

YDP-S36 と YDP-S56 は、鍵盤のふたを閉じると上面が平らになるスリム型です。仕様表の奥行きは YDP-S36 が296mm、YDP-S56 が309mm で、標準型の422mm より10cm以上薄くなっています。

ただし、取扱説明書では転倒防止用の金具を必ず取り付けるよう書かれていて、金具を付けた状態の奥行きは YDP-S36 が366mm、YDP-S56 が382mm です。標準型との差は5〜6cm まで縮まります。さらに、良い音響のために背面を壁から5cm以上離すことも勧められています。なお、この金具は地震対策用ではないと明記されています。

もう1つの違いは付属品です。YDP-S36 と YDP-S56 には椅子もヘッドホンも付いていません。標準型の YDP-146 には固定椅子とヘッドホンが付くので、スリム型を選ぶときはその分を予算に入れておく必要があります。鍵盤とアンプ出力は YDP-S36 と YDP-146 で同じです。

カワイ・ローランド・カシオの同価格帯と並べる

10万円前後の家庭用電子ピアノを、各社の公式仕様表の数値で並べました。寸法の奥行きは、スリム型の YDP-S36 のみ転倒防止金具を付けた値です。

機種鍵盤最大同時発音数アンプ出力Bluetooth オーディオ幅×奥行き質量椅子 / ヘッドホン
ヤマハ YDP-166グランドタッチ-イー19220W×2あり135.7×42.2cm42.0kg高低自在 / あり
ヤマハ YDP-146GHS1928W×2あり135.7×42.2cm38.0kg固定 / あり
ヤマハ YDP-S36GHS1928W×2あり135.3×36.6cm37.0kgなし / なし
カワイ CX202GES19220W×2あり136.5×40.5cm37.0kg固定 / あり
カワイ CX102GEB19211W×2なし (MIDI のみ)136.5×40.5cm36.0kg固定 / あり
ローランド RP701PHA-4 スタンダード25612W×2あり136.6×46.3cm46.0kg高低自在 / あり
カシオ AP-S200スマートスケーリングハンマーアクション19216W×2あり (付属アダプター)139.3×29.9cm34.0kgなし / なし

カワイは2025年9月に CX シリーズ (CX302・CX202・CX102) を発売し、それまでの CN201・CN301 は公式サイトで生産終了になっています。このうち CX102 は、カワイが「Web販売限定モデル」としている機種です。CX202 と CX302 の製品ページには展示店検索がありますが、CX102 のページにあるのは購入先への案内だけで、試し弾きしてから買う機種としては扱われていません。CX202 との違いは、鍵盤の種類 (GEB と GES)、アンプ出力 (22W と 40W)、Bluetooth オーディオの有無、外装の仕上げです。音源、発音数、寸法、付属の固定椅子とヘッドホンは同じです。

ローランドの RP701 は2020年11月発売で、この表の中ではいちばん古い機種です。それでも Bluetooth オーディオに対応し、高低自在椅子とヘッドホンが付きます。奥行き46.3cm・質量46.0kg と、表の中ではいちばん大きく重いので、置き場所に余裕がある家向きです。

カシオの AP-S200 は2025年2月発売で、スリム型の中では奥行きが29.9cm と最も薄い機種です。Bluetooth は付属のワイヤレスアダプターで対応します。椅子とヘッドホンは付属しません。

アンプ出力の大小は、スピーカーで鳴らしたときの余裕の差です。集合住宅でヘッドホン中心に練習するなら、ここで選ぶ必要はあまりありません。

集合住宅に置く前に確かめること

床の強さ

本体の重さを、置いたときに占める床の面積で割ると、YDP-166 で1平方メートルあたり約73kg、YDP-146 で約66kg、ローランド RP701 で約73kg です。建築基準法施行令は、住宅の居室の床を構造計算するときの積載荷重を1,800N/㎡ (約184kg/㎡) としています。電子ピアノ1台の重さは、この値を大きく下回ります。

床の傷については、ヤマハの取扱説明書が椅子の下にマットを敷いて床や畳を保護するよう勧めています。本体の下にもマットを敷いておけば、床の保護と、次に書く振動対策を兼ねられます。

打鍵音と振動

ヘッドホンで消せるのは、スピーカーから出る音だけです。ローランドは、鍵盤を弾くと必ず「コトコト」という打鍵音が出て、音量を下げて弾くほどそれが目立つと説明しています。この音や床に伝わる振動を和らげるため、ローランドは厚さ約1cm のピアノ・セッティング・マット HPM-10 を用意しています。マットでどこまで減るかの数値は公表されていません。

置き場所も、隣の住戸と接する壁際や、階下の人が長くいる部屋の真上は避けておきたいところです。夜にヘッドホンで練習する家庭ほど、スピーカーの音より打鍵音のほうが問題になります。

表の機種はどれもヘッドホン端子が2つあり、親子で並んで聴きながら練習できます。カワイの CX シリーズは標準プラグとミニプラグの端子が1つずつ、ヤマハの YDP シリーズは標準プラグの端子が2つです。

電気代

消費電力は YDP-146 が9W、YDP-166 が13W です。毎日1時間弾くと、年間の電気代は YDP-146 で約100円、YDP-166 で約150円です (目安単価31円/kWh で計算)。電気代が機種選びに影響することはありません。

届いてから弾けるまで

家具のような形の電子ピアノは、部材に分かれた状態で届く組み立て式です。ヤマハの取扱説明書は、組み立てを必ず2人以上で行うこと、組み立てたあとに動かすときは大人2人以上で水平にして運ぶことを求めています。本体だけで34〜46kg あるので、1人での組み立ては想定されていません。

通販では、「配送設置無料」「組立設置納品」のように組み立てまで含む販売ページと、「お届けのみ/お客様組立」のように配送だけの販売ページがあり、同じ店で両方を選べることもあります。Amazon でも、組立設置を付けたセット商品が別の商品ページで出ています。2階以上の部屋に置く場合や、階段の幅が狭い家では、搬入できるかを販売店に事前に確認しておくと確実です。

年末に買って、春のレッスン開始に間に合わせたい場合は、組立設置付きの商品ほど配送日を早めに確かめておくと慌てずに済みます。

買わない方がいい場合と保証

子どもが続けるかどうかまだ分からない段階なら、購入を急がなくてもかまいません。ヤマハのレンタルサービス「音レント」は、アリウスやクラビノーバも扱っています。

保証期間は保証書に書かれた期間で、延長したい場合は販売店の延長保証を付けることになります。ローランドには購入日から10年の保証サービスがありますが、対象は GP・LX・KIYOLA シリーズで、RP701 は含まれていません。

価格を比べる

ヤマハは新モデルと型落ちを並べています。販売ページによって組立設置の有無や付属品のセット内容が違うので、価格だけでなく商品名の【】内も確かめてください。

カワイは、店頭でも買える CX202 と、Web 販売限定の CX102 です。

出典

  • ヤマハ株式会社 ニュースリリース「グランドピアノのリアルな演奏感とサウンドを追求したエントリーモデル ヤマハ 電子ピアノ ARIUS YDP-166・YDP-146・YDP-S56・YDP-S36」(2026年6月11日)
  • ヤマハ ARIUS 製品ページと仕様 (YDP-166 / YDP-146 / YDP-S56 / YDP-S36 / YDP-165 / YDP-145 / YDP-S55 / YDP-S35)
  • ヤマハ YDP-166・YDP-146・YDP-S56・YDP-S36 取扱説明書 (組み立て方、移動と設置)
  • 河合楽器製作所 製品情報 CX102 / CX202 / CX302 の製品仕様、CN シリーズ製品一覧
  • 河合楽器製作所 ニュース「カワイ電子ピアノ新シリーズ CX 発売」(2025年8月22日)
  • ローランド RP701 仕様
  • ローランド「電子ピアノの防音対策」(my first piano ブログ)
  • ローランド 10年保証サービス
  • ヤマハミュージックジャパン 楽器・防音室レンタル「音レント」
  • カシオ計算機 ニュースリリース「AP-300・AP-S200」(2025年2月13日)、AP-300/AP-S200 取扱説明書 製品仕様
  • 建築基準法施行令 第85条 (積載荷重)

FAQ

Q.YDP-166 と型落ちの YDP-165 は何が違いますか?
A.ヤマハの仕様表では、音源 (ヤマハ CFX サンプリング)、最大同時発音数192、アンプ出力20W×2、幅1,357mm・奥行き422mm、質量42.0kg はどちらも同じです。違うのは鍵盤で、YDP-165 のグレードハンマー3 (GH3) 鍵盤が、YDP-166 ではエスケープメント付きのグランドタッチ-イー鍵盤に変わりました。YDP-166 はスマートフォンの音楽を本体スピーカーで鳴らせる Bluetooth オーディオと Bluetooth MIDI にも対応しています。YDP-165 は2022年4月発売で、すでに生産完了品です。
Q.YDP-146 と YDP-145 なら、型落ちで十分ですか?
A.鍵盤の名前はどちらもグレードハンマースタンダード (GHS) 鍵盤で、ヤマハは YDP-146 でセンサーを改良して連打性を上げたと説明しています。音源、発音数、アンプ出力8W×2、寸法、質量38.0kg、固定椅子とヘッドホンの付属は同じです。スマートフォンの音を本体で鳴らす Bluetooth オーディオを使わないなら、YDP-145 が安く残っているうちは選んでかまいません。
Q.スリム型の YDP-S36 はどのくらい壁際に置けますか?
A.本体の奥行きは296mm ですが、取扱説明書では転倒防止用の金具を必ず取り付けるよう求めており、金具を付けると奥行きは366mm になります。また、良い音で聴くために背面を壁から5cm以上離すことが勧められています。YDP-S36 には椅子とヘッドホンが付属しないので、別に用意する必要があります。
Q.カワイの CX102 と CX202 はどう違いますか?
A.CX102 はカワイが「Web販売限定モデル」としている機種です。CX202 と比べると、鍵盤が GES から GEB に、アンプ出力が40W から22W になり、Bluetooth はオーディオ受信がなく MIDI だけです。音源と最大同時発音数192、幅136.5cm・奥行き40.5cm の寸法は共通で、固定椅子とヘッドホンはどちらにも付属します。
Q.ヘッドホンで弾けば、下の階に音は伝わりませんか?
A.ヘッドホンで消せるのはスピーカーから出る音だけです。ローランドは、鍵盤を弾くと必ず「コトコト」という打鍵音が出て、音量を下げるほど目立つと説明しています。床に伝わる振動を和らげるには、本体の下に敷くマット (ローランドの HPM-10 は厚さ約1cm) を使い、階下の人がよくいる部屋の真上を避けて置くことが対策になります。

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