比較記事 / 除湿機
室温10℃の脱衣所で洗濯物は何分で乾く? 除湿機の方式別に冬の乾燥時間と電気代を比べる
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冬の夜に洗濯をして、暖房のない脱衣所に干すと、翌朝になってもタオルが湿っています。北側の寝室では、同じ時期に窓ガラスが結露で濡れます。暖房のない部屋は、冬の夜には10℃前後まで冷えることがあります。
除湿機はこの両方に使えますが、室温が下がると能力が大きく落ちる方式があります。三菱電機のコンプレッサー式 MJ-P180ZX は、室温27℃・湿度60%なら1日18Lを除湿します。ところが室温10℃・湿度70%では、冬モードで運転しても5.0L/日です。室温1℃では2.0L/日以下になると三菱電機は書いています。
この記事では、パナソニック、シャープ、三菱電機、コロナの公表値から、室温20℃と10℃での乾燥時間、1回あたりの消費電力量を並べました。干す部屋の温度から方式を選び、前年モデルで同じものが買えるかまで確認できます。数値はすべてメーカーの公表値で、実際の乾燥時間は洗濯物の量や干し方によって変わります。
季節より、干す部屋の室温で選ぶ
除湿機の方式は3つです。
コンプレッサー式は、エアコンの除湿と同じように空気を冷やして水分を結露させます。消費電力が小さく、気温の高い時期に強い方式です。ただ室温が低いと、空気を冷やす冷却器に霜がついて除湿量が落ちます。三菱電機は霜を自動で溶かす「おまかせ霜取り」で、コロナは室温10℃を下回るとヒーターを併用する Hシリーズの「冬モード」で、この弱点を補っています。
デシカント式は、ゼオライトなどの乾燥剤に水分を吸わせ、ヒーターで温めて取り出します。室温の影響を受けにくい代わりに、ヒーターの分だけ消費電力が大きく、部屋も暖まります。
ハイブリッド式は両方のしくみを持ち、室温に合わせて使い分けます。ただし中身はメーカーによって違います。シャープの CV-UH160 はヒーターを使いますが、パナソニックの「エコ・ハイブリッド方式」はヒーターを使いません。この違いは乾燥時間にそのまま出ます (後述)。
どの方式が合うかは、冬かどうかより、干す部屋が何℃になるかで決まります。冬でも暖房の効いたリビングに干すなら、コンプレッサー式で足ります。
| 冬に干す部屋 | 向く方式 | 機種の例 (メーカー公表) |
|---|---|---|
| 暖房が効いている | コンプレッサー式 | シャープ CV-U71 (使用可能温度4〜38℃)、三菱電機 MJ-M120ZX (7〜40℃) |
| 暖房がなく10℃前後になる | ハイブリッド式、デシカント式、ヒーター併用のコンプレッサー式 | シャープ CV-UH160 (1〜38℃、ヒーターON時)、コロナ Hシリーズ (10℃未満でヒーター併用) |
| 5℃を下回ることがある | デシカント式、ハイブリッド式 | シャープ CV-U60 (1〜38℃)。コロナは全機種が約5〜40℃なので外れます |
カタログの「L/日」は室温27℃での値
コンプレッサー式の除湿能力は、JIS C 9617 の試験条件 (乾球温度27℃・湿球温度21.2℃) で測った値で、各社とも「室温27℃・相対湿度60%」と注記しています。冬の部屋とは条件がまったく違うので、18L/日の機種が冬も18L除湿するわけではありません。シャープのデシカント式 CV-U60 の5.6L/日は、仕様表の注記によると室温20℃・湿度60%で測った値です。方式が違う機種の「L/日」は同じ物差しで比べられません。
比べやすいのは衣類乾燥時間のほうです。日本電機工業会の自主基準 JEMA-HD090 で、6畳相当、室温20℃・湿度70%、洗濯物約2kgという条件がそろっています。パナソニックとシャープは、同じ基準で室温10℃・湿度70%の「冬季」の値も公表しています。
室温10℃にすると乾燥時間はどれだけ延びるか
2kgの洗濯物 (Tシャツ3枚、Yシャツ2枚、パジャマ1組、下着7枚、靴下2足、タオル3枚) を乾かす時間です。パナソニックは1日1人分の洗濯物を約1.5kgとしているので、1〜2人分の量にあたります。
| 機種 | 方式 | 室温20℃ | 室温10℃ | 1回の電気代 (20℃ / 10℃) |
|---|---|---|---|---|
| シャープ CV-UH160 | ハイブリッド (ヒーターあり) | 約54分 | 約70分 | 約20円 / 約25円 |
| パナソニック F-YEX120B | エコ・ハイブリッド (ヒーターなし) | 約90分 | 約135分 | 約9.7円 / 約13.1円 |
| パナソニック F-YEX90D | エコ・ハイブリッド (ヒーターなし) | 約125分 | 約177分 | 約11.5円 / 約14.0円 |
| パナソニック F-YHX90B (旧型) | ハイブリッド (ヒーターあり) | 約97分 | 約127分 | 約26.6円 / 約33.3円 |
| シャープ CV-U60 | デシカント | 約99分 | 約109分 | 約28円 / 約32円 |
| シャープ CV-U71 | コンプレッサー | 約167分 | — | 約17円 / — |
| 三菱電機 MJ-P180ZX | コンプレッサー | 約114分 | — | — |
| コロナ CD-WH1826 | コンプレッサー (ヒーター併用) | 約58分 | — | 約19.8円 / — |
| コロナ CD-S6326 | コンプレッサー | 約136分 | — | 約17.1円 / — |
すべて60Hzでの値です。パナソニックの電気代は、メーカーが公表している1回あたりの消費電力量 (Wh) から目安単価31円/kWhで計算しました。シャープとコロナはメーカーが表示している金額です。「—」はメーカーが公表していない項目です。
室温を20℃から10℃に下げたときの延び方は、方式でかなり違います。デシカント式の CV-U60 は99分から109分で、1割ほどしか延びません。ヒーターのあるハイブリッドの CV-UH160 と F-YHX90B は3割ほど、ヒーターのないパナソニックのエコ・ハイブリッドは5割近く延びます。
コンプレッサー式のメーカーは、室温10℃の乾燥時間を出していません。手がかりになるのは三菱電機の除湿量で、MJ-P180ZX は室温27℃の18L/日に対し、室温10℃では冬モードで5.0L/日、強運転で4.5L/日です。コロナは CD-WH18タイプで独自の試験をしていて、8畳、室温10℃・湿度70%で5kgの洗濯物を乾かすと、ヒーターONで340分、OFFで560分かかったとしています。家族4人分を暖房のない部屋に干すと、18Lクラスでも乾くまで5時間以上かかるということです。
電気代の差は、洗濯物を乾かす用途ならそれほど大きくありません。パナソニックが冬季の洗濯回数として想定している90回で計算すると、室温10℃で F-YEX90D は約1,260円、F-YHX90B は約2,990円です。差はひと冬で2,000円弱なので、乾く時間と置き場所を優先して決めてかまいません。三菱電機は1回あたりの消費電力量を公表していませんが、MJ-P180ZX が乾燥時間の114分ずっと390Wで動いたとすると、上限は約23円です。
パナソニックのエコ・ハイブリッドは、電気代が安いぶん冬は遅い
パナソニックの比較ページに載っている衣類乾燥除湿機は、F-YEX200D、F-YEX120B、F-YEX90D の3機種で、すべてエコ・ハイブリッド方式です。パナソニックの説明では、消費電力の大きいヒーターの代わりに、本体の中に2つの除湿のしくみを設けています。
2026年4月発売の F-YEX90D は、F-YHX90B の後継にあたります。本体寸法 (高さ335×幅470×奥行250mm) とタンク約2.4Lは同じで、洗濯物の真下に置くコンパクト型です。8.5L/日を除湿するのに必要な電力は、F-YHX90B の555Wから185Wになりました。パナソニックの想定 (冬季以外275回、冬季90回) では、年間の電気代は F-YHX90B の10,312円に対して F-YEX90D は4,423円です。
一方で、2kgの乾燥時間は室温20℃で約97分から約125分に、室温10℃で約127分から約177分に延びました。12L/日クラスの F-YEX120B (2024年5月発売) も同じ関係で、従来品 F-YHVX120 の室温10℃で約97分・1,100Whに対し、F-YEX120B は約135分・423Whです。
夜に干して朝までに乾けばよいなら、177分でも困りません。朝に洗濯して出勤前の2時間で乾かしたい家庭では、旧型の速さが効いてきます。ただ F-YHX90B はパナソニックの比較ページから外れていて、手に入るのは販売店に残っている在庫だけです。
もうひとつ、F-YEX90D は連続排水に対応していません。タンク約2.4Lの水を毎回捨てる必要があります。連続排水が必要なら、市販のホース (内径15mm) をつなげる F-YEX120B か F-YEX200D を選ぶことになります。パナソニックはこの3機種について、一部の店舗ではメーカー指定価格で販売すると書いています。店による本体価格の差は出にくいので、ポイントや送料を含めた価格で比べるのが確実です。
前年モデルで同じものが買えるか
シャープ
コンプレッサー式の CV-T71 (2025年3月発売) と CV-U71 (2026年3月発売) は、除湿能力 (50Hz 6.3L/日、60Hz 7.1L/日)、タンク約2.5L、2kgの乾燥時間約167分、本体寸法 (幅303×奥行203×高さ524mm) が同じです。デシカント式の CV-T60 と CV-U60 も、除湿能力5.4/5.6L/日、消費電力510/570W、タンク約1.5Lが同じです。どちらも前年モデルが残っていれば、それで十分です。
ハイブリッド式の CV-UH160 (2026年3月12日発売) は事情が違います。シャープが「オールシーズン・ハイブリッド方式」と呼ぶ新しい方式で、ヒーターには PTC ヒーターを使っています。前年の CV-TH150 とは方式の名前も除湿能力も違う別設計なので、型落ちを同じものとして選ぶことはできません。
三菱電機
MJ-P180ZX (2026年5月発売) と前年の MJ-P180YX は、除湿能力 (50Hz 15.5L/日、60Hz 18L/日)、消費電力330/390W、タンク約4.7L、冬モード、使用可能温度1〜40℃が同じです。三菱電機の仕様で違うのは2点で、ZX は湿度設定の下限が40%になり (YX は50〜70%)、12時間で自動停止する切り忘れ防止機能が付きました。湿度設定の下限と自動停止にこだわらなければ、YX で困りません。
コンパクトな MJ-M120ZX と MJ-M120YX は、三菱電機の仕様表で除湿能力11/12L/日、消費電力325/385W、タンク約3.0L、使用可能温度7〜40℃まで同じです。7℃を下回る部屋では使えないので、冬の脱衣所向きではありません。
コロナ
コロナの型番は末尾2桁が年度で、CD-WH1825 はコロナのサイトで「2025年モデル」とされています。大容量の CD-WH1826 と CD-WH1825 は、コロナの仕様表で除湿能力16/18L/日、消費電力 (除湿305/355W、衣類乾燥605/655W)、タンク約5.5Lまで同じです。スリムな CD-S6326 と CD-S6325 も、除湿能力5.6/6.3L/日、消費電力180/205W、タンク約3.0Lが同じです。
Hシリーズには、家電量販店向けの CD-H と、一般ルート・ホームセンター向けの BD-H があります。たとえば CD-H1026 と BD-H1026 は除湿能力9/10L/日とタンク約4.5Lが同じですが、5段階の湿度設定とサーキュレーター運転は CD-H1026 にしかありません。どちらも冬モードを持ち、室温10℃を下回るとヒーターを併用して除湿します。
結露対策で一晩中動かすと電気代はどうなるか
洗濯物を乾かすのは1回2時間前後ですが、寝室の結露対策では一晩中動かすことになります。ここでは消費電力の差がそのまま効きます。
デシカント式の CV-U60 (60Hz 570W) を毎晩8時間、90晩動かすと、約12,700円です。コンプレッサー式の CV-U71 (210W) なら同じ条件で約4,700円ですが、室温10℃前後の寝室ではコンプレッサー式の除湿量が大きく落ちることは前に書いたとおりです。どちらも消費電力が最大のまま動き続けた場合の上限で、湿度を見て運転を弱める自動運転なら実際はこれより少なくなります。
パナソニック、シャープ、コロナは、除湿機は運転中に熱を出すので室温が上がると注記しています。デシカント式はヒーターを使うぶん、その傾向が強い方式です。寒い寝室では、これを欠点とは感じにくいかもしれません。
タンクの大きさと連続排水
冬は夏より除湿量が減るので、タンクが満水になるまでの時間は夏より長くなります。ただ毎晩の部屋干しや、出かけている間の運転を考えると、タンク容量と連続排水の有無は買う前に確認しておきたいところです。
| 機種 | タンク | 連続排水 |
|---|---|---|
| パナソニック F-YEX90D | 約2.4L | 非対応 |
| パナソニック F-YEX120B | 約3.2L | 対応 (内径15mmのホース) |
| シャープ CV-U71 / CV-T71 | 約2.5L | 対応 (市販のホース) |
| シャープ CV-U60 / CV-T60 | 約1.5L | 非対応 |
| シャープ CV-UH160 | 約4.0L | 対応 (内径15mmのホース) |
| 三菱電機 MJ-P180ZX / YX | 約4.7L | 対応 (内径15mmのホース) |
| コロナ CD-WH1826 / 1825 | 約5.5L | 対応 (市販のビニールホース) |
| コロナ CD-S6326 / 6325 | 約3.0L | 対応 (市販のビニールホース) |
連続排水にするときは、自動停止の機能に注意してください。三菱電機の MJ-P180ZX は12時間で止まる切り忘れ防止機能があり、12時間以上続けて動かすときはオフにするよう三菱電機が案内しています。コロナの WH・H・Sシリーズには24時間で止まる切り忘れ防止機能があります。コロナは、ホースの周りが氷点下になるとホースの中の水が凍って水漏れの原因になるとも注意しています。冬に寒冷地の脱衣所でホースを床の排水口へ伸ばす場合は、気をつけたい点です。
タンクだけで使う場合の目安として、コロナは満水までの連続運転時間を公表しています。室温27℃・湿度60%の条件で、CD-WH1826 は約7時間 (60Hz)、CD-S6326 は約11時間です。
除湿機を買わなくてもよい場合
冬の部屋干しを暖房の効いた部屋でしていて、2kg程度を一晩かけて乾かせればよいなら、すでに持っているコンプレッサー式の除湿機で足ります。冬のためにハイブリッド式へ買い替える必要はありません。
反対に、家族4〜5人分を暖房のない部屋で数時間のうちに乾かしたいなら、除湿機では難しいと考えておいたほうがよいでしょう。コロナの試験でも、5kgを室温10℃で乾かすのにヒーターONで340分かかっています。乾燥機能付きの洗濯機や衣類乾燥機が向いている使い方です。洗濯機の選び直しは縦型洗濯機の記事で、布団の湿気対策は布団乾燥機の記事で扱っています。
価格を比べる
出典
- パナソニック 衣類乾燥除湿機 F-YEX90D / F-YEX120B / F-YEX200D / F-YHX90B 製品情報・仕様
- パナソニック 衣類乾燥除湿機 商品比較ページ
- パナソニック ニュースリリース「衣類乾燥除湿機 F-YEX90D、F-YEX200Dを発売」(2026年3月)
- シャープ 衣類乾燥除湿機 CV-UH160 / CV-U71 / CV-U60 仕様・寸法
- シャープ ニュースリリース「プラズマクラスター衣類乾燥除湿機『HYBRID365』CV-UH160を発売」(2026年3月)
- 価格.com 製品仕様 シャープ CV-T71-W / CV-T60-W
- 三菱電機 衣類乾燥除湿機 MJ-P180ZX / MJ-P180YX / MJ-M120ZX / MJ-M120YX 製品仕様・特長、製品比較ページ
- コロナ 衣類乾燥除湿機 製品一覧表、WHシリーズ・Hシリーズ・Sシリーズ製品詳細、WHシリーズ・Sシリーズ (2025年モデル) 製品詳細
- コロナ よくあるご質問「連続排水することはできますか?」
- JIS C 9617:1992 電気除湿機
- 日本電機工業会 自主基準 JEMA-HD090:2017 (各社仕様表の注記による)
- 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価 31円/kWh (2022年7月改定)
FAQ
Q.冬の部屋干しにコンプレッサー式の除湿機は使えますか?
Q.パナソニックの F-YEX90D と F-YHX90B は何が違いますか?
Q.シャープの CV-U71 と型落ちの CV-T71 は同じものですか?
Q.三菱電機の MJ-P180ZX と MJ-P180YX の違いは何ですか?
Q.冬の部屋干しで除湿機の電気代はいくらかかりますか?
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